KDDIが推進する地域共創の取り組みを テクノロジー×ビジネスコンサルティングで支援

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※本記事の内容、所属部署名などは20262の取材時点のものです

5G通信、IoT、AIなどのテクノロジーの進化によって、私たちの暮らしや社会は大きく変わろうとしています。KDDIが中期経営計画で掲げる「新サテライトグロース戦略」を支えるこれらのテクノロジーは、日本全国の地域や自治体が抱える少子高齢化、人手不足といった社会課題を解決する大きな可能性を秘めています。 

ARISE analyticsは近年、KDDIが全国の自治体や教育機関などと連携して進める「地域共創」の取り組みにパートナーとして伴走してきました。人々の豊かな暮らしを支える持続可能な地域社会の実現に向けて、KDDIはどのような価値を提供し、貢献を果たしていこうと考えているのか。KDDIの地域共創推進部でグループリーダーを務める柳澤一馬氏、ARISE analyticsの篠崎太郎に話を聞きました。 

 

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    柳澤 一馬 氏

    KDDI株式会社

    経営戦略本部
    地域共創推進部
    企画グループ グループリーダー

(ARISE analyticsからの参加者)

  • 20260408_shinozaki

    篠崎 太郎

    株式会社ARISE analytics

    Digital Consulting Sector, Innovation & Growth Division, Applied DX Unit,
    Social Co-creation Team, Team Lead

地域との対話を通じて、KDDIが目指す「地域共創」

 ――KDDIが「地域共創」に力を入れるようになった背景と、地域共創推進部の役割について教えてください。

柳澤氏 KDDIは地域の持続可能な成長を支援することを目的として、2020年に経営戦略本部の配下に地方創生推進部を発足しました。当時は「人づくり」に重点を置き、地域の働き手の育成やデジタル活用の支援、さらには起業家の創出などに取り組んできました。 

しかし、コロナ禍などを経て社会環境が大きく転換したことで、KDDIとしても取り組みを見直す必要が生じました。それまでの取り組みを踏まえつつ、地域との関係性を再構築するための議論を行う中で、2022年に地方創生推進部は地域共創推進部へ組織名が変更され、新たなスタートを切ることになりました。 

この「地域共創」という言葉には、KDDIの強い思いが込められています。従来の「地方創生」の考え方がKDDIの目指す方向性と合致していないところがあったことから、私たちは地域の皆さまと一緒に共創活動を広げていきたいという意味を込めて、地域共創推進部という組織名に改めました。

篠崎 地方創生は、もともと政府主導で国の予算を活用して地方の活性化を図る取り組みでしたが、近年はデジタル化の進展もあり、産学官が連携して地域が主体となって社会課題を解決すべきという考え方に変わってきています。KDDIさまの組織体制の変更も、こうした社会の変化と歩調を合わせたものだと思います。

柳澤氏 KDDIは中期経営計画の中で「新サテライトグロース戦略」を掲げ、5G通信、IoT、AIといった当社が強みを持つテクノロジーを核に、DX、金融、エネルギーといった成長分野での付加価値サービスの提供を目指しています。地域共創においても、この成長戦略と連動しながら、最新のテクノロジーを活用して地域の課題解決に資する取り組みを進めています。 

ここでは短期的な成果を追い求めるのではなく、中長期的な視点で社会的インパクトを生み出し、地域に新たな価値をもたらすことが重要です。この中で地域共創の「企画立案」を担っているのが地域共創推進部です。地域と連携しながら、「何を、どのような体制で共創するのか」を設計し、課題解決のためのシナリオを描きながら実行に移していきます。 

そのためには、企画が机上の空論にならないように、まず地域の方々と対話を重ねながら、課題の本質を見極めていかなければなりません。この地道な活動を続けていくことが、「KDDIが目指す地域共創とは何か」という大きな問いの答えにつながっていくと考えています。 

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KDDI株式会社 柳澤 一馬 氏 

地域共創に不可欠なテクノロジーとコンサルティング   

 ――こうしたKDDIの地域共創の取り組みにおいて、ARISE analyticsはどのような役割を果たそうとしているのでしょうか。 

篠崎 KDDIさまの地域共創推進部が進める自治体や教育機関との連携は、社会貢献とビジネスの両方の側面を持っています。まずデータ解析やAI活用の知見を一定の範囲で提供したり、国の補助金を活用したりするなど、自治体にとって負担の少ない形でスタートすることが重要です。価値を実感していただいたうえで、KDDIさまの事業価値向上にも資する取り組みへつなげていくのが基本的な考え方です。

ただ、すでに他の民間事業者と連携している、あるいは新たな取り組みに対して慎重であるなど、自治体には個別のさまざまな事情がありますし、KDDIさまが地域共創に力を入れていることが十分に認知されていない場合もあります。

こうした中で、ARISE analyticsはドアノックからさまざまな提案の作成、連携協定の締結に至るまで、地域共創推進部の活動に上流から伴走しています。当然、連携協定の締結はゴールではなく、その後に何を共創するかが重要です。具体的な取り組みが始まった後も、さまざまな形で支援を行っています。

当社のサービスには、データサイエンスやAI活用を中心としたテクノロジーと、ビジネスコンサルティングという2つの領域があります。テクノロジーの領域では、人流データなどのビッグデータ解析や、センシングとデータ分析、AIを組み合わせたシステム構築などを通じて、自治体や教育機関に価値を提供していきます。

ビジネスコンサルティングの領域では、自治体ごとに異なる事情を踏まえながら、産官学連携の枠組みを設計し、提案を進めています。こうした活動では、既存の商材やサービスを販売する一般的な営業活動とは異なり、地域課題の解決と事業性の両立を見据えた長期的な視点でのアプローチが求められます。

柳澤氏 地域共創の取り組みにおいて、KDDIの地域共創推進部とARISE analyticsは切り離すことのできない1つのチームとなっています。例えば、ある課題を解決するための実証実験を行う場合でも、どのようなプロセスで進めるのか、誰がどのように動くのか、予算をどう確保するのかといった具体的な部分まで一緒に考えてくれます。テクノロジーとビジネスコンサルティングの双方に強みを持つARISE analyticsだからこそ、こうした伴走支援が可能なのだと思います。 

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株式会社ARISE analytics 篠崎 太郎 

多様なステークホルダーとの連携による価値の共創  

 ――現在進めている地域共創のプロジェクトとしては、具体的にどのようなものがあるのでしょうか。 

柳澤氏 一例として、地域の大学と連携して畜産業を支援する技術開発に取り組んでいます。畜産業は、24時間365日の体制で牛や豚などの家畜を飼育しなければならない大変な仕事です。そのため、各地域で後継者不足が深刻化し、畜産業そのものの存続が危機に瀕しています。

篠崎 このプロジェクトでもご期待いただいた点ですが、地域課題の解決とKDDIさまの通信インフラは非常に相性が良いと考えています。例えば、Starlink衛星を活用した通信サービスによって、山間部や沿岸部など、従来は通信環境の確保が難しかった場所でも、ネットワークへの接続が可能になります。これにより、通信環境の制約を受けやすい一次産業でも、データ活用を前提とした取り組みが現実的な選択肢となるのです。

こうした状況に対して、業務の省力化や品質向上といったテーマで大学の関係者とディスカッションを行い、KDDIのテクノロジーやソリューションを活用した仮説の立案と検証を続けてきました。そこからスタートしたプロジェクトの1つが、カメラやセンシング、データ解析といった技術を組み合わせて、家畜の病気などの異変を早期に検知する仕組みづくりです。

プロジェクトを進めるうえでは、社会的なインパクトを生み出すための座組もつくる必要があることから、地域の自治体や獣医師会など多様なステークホルダーと連携して、予算の確保や実証実験の計画を進めています。これは売り手と買い手の関係とは異なる、まさに共創的な座組だと捉えています。家畜を飼育する環境、病気の判定に関する知見は、地域の農家や研究者、獣医師の方々に蓄積されています。そうした地域のノウハウとKDDIグループが持つ技術やデータを掛け合わせることで新たな共創が実現するのです。

――地域共創の取り組みを成功に導くポイントはどこにあるのでしょうか。 

柳澤氏 KDDIの営業担当者が地域の畜産農家を訪問して、家畜のモニタリングシステムや通信サービスを販売しようとしても、うまくいかないでしょう。なぜ、このソリューションが必要なのか?現状の働き方を変えなければ産業自体の存続が難しくなり、地域社会にも影響が及ぶ可能性がある―。まず、こうした問題意識を共有する必要があります。そのうえで解決に向けたシナリオを設計し、地域社会にもたらされるインパクトを実証していかなければ、具体的な成果にはつながりません。 

篠崎 どのような企業であっても、既存の商材やサービスを販売する営業部門の存在なくして事業は成り立ちません。一方、地域共創は短期的に収益の上がる事業ではありません。特にスマートシティ構想のような大規模な事業では、収益化が見込めるのは少なくとも数年先になります。だからこそ、民間企業と地域が共に社会課題の解決に取り組む体制をつくり、定期的に協議を重ねる文化を双方で育てていくことが重要です。

地域共創のノウハウをモデル化し、広く社会に共有 

 ――ARISE analyticsのこれまでの支援について、KDDIはどのように評価されていますか。

柳澤氏 戦略をブラッシュアップする過程では、抽象と具体を何度も行き来しながら、実現可能なアイデアを形にしていきます。ARISE analyticsは、その品質が非常に高いと感じています。優れた戦略を立てたつもりでも、現場が動かない、実態が何も変わらないとなれば、机上の空論です。ARISE analyticsは現場の具体的な事象から示唆を拾いあげ、わかりやすく整理してくれます。これによって、はじめて実効性の高い戦略が生まれます。

篠崎 ARISE analyticsには、多様なバックグラウンドを持った人材が在籍しています。プロパーの社員に加えて、アクセンチュアからの出向者や他企業からの転職者も多くいます。地域の課題解決には幅広い分野の知見が求められますので、社内に多様な知見があることは強みですし、必要に応じてアクセンチュアのネットワークを活用することもできます。 

 柳澤氏 幅広い分野の知見だけでなく、ARISE analyticsはそれらを現場でどう活用するかを熟知していることも、プロジェクトの中で感じています。だからこそ、どのような相談に対しても具体的な打ち手を示してもらえるのだと思います。

―――KDDIの地域共創の取り組みは、今後どのように展開していくのでしょうか。

柳澤氏 ARISE analyticsとのパートナーシップで複数の自治体や大学と連携協定を結ぶ中で、共創のあるべきプロセスが徐々に見えてきました。次のフェーズでは、これらのモデルケースを横展開できる体制を整えてきたいと考えています。 

そのうえで、地域共創推進部としては「深度」「スケール」「情報発信」の3つを大切にしていきたいです。現地に足を運び、地域の方々との対話を通じて課題を掘り下げ、研究開発や実証実験につなげることはできるようになってきました。この深度を維持しながら、ノウハウをモデル化して他の地域に広げていかなければなりません。そのためには、KDDIが地域から必要とされる存在であることを広く社会に向けて情報発信していくことも重要です。決して独りよがりではなく、地域と向き合いながら課題解決に取り組むKDDIの姿勢を多くの方々に知っていただきたいと思っています。 

篠崎 柳澤さまがおっしゃるように、地域との信頼関係を築くためのプロセスは見えてきました。今後はこの取り組みをさらに発展させ、全国的なモデルとなる事例を共に創り上げていきたいと考えています。このことが国内はもちろん、海外でも通用する大きなビジネスモデルにつながる可能性もあります。ARISE analyticsとしても、地域課題の解決に貢献する中で新たな企業価値を見いだす機会が得られるはずです。そのためにも、今後もKDDIさまと地域の皆さまとの共創活動にテクノロジーとビジネスコンサルティングの視点で力強く伴走していきます。 

 

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KDDI株式会社

事業内容
電気通信事業
従業員数
64,636名(連結ベース、2025年3月31日現在)
住所
東京都港区高輪2丁目21番1号
THE LINKPILLAR 1 NORTH
URL
https://www.kddi.com/
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