社員インタビュー
AI時代だからこそ思考を止めず、視野を広げながら自分の価値を模索し続ける
データサイエンティスト
秋元 裕介
ノウハウのない領域に挑戦し、技術開発をリードする
私の所属するDX技術本部 先端技術開発部は、時代の主流よりも一歩二歩先を行く新しい技術を扱うことが多い部署です。そのため、特に技術に強みを持つ人材が集められ、常にARISE analyticsの技術開発をリードするマインドで仕事と向き合っています。
その中で私は、主にAIエージェントやAIセキュリティの領域のプロジェクトを担当しています。その1つが、KDDIのコールセンターでお客さまからの問い合わせに対応するAIチャットボットのシミュレーションです。生成AIの活用ではハルシネーション( AIが、もっともらしい嘘の情報を生成してしまうこと )をはじめとした応答品質管理の問題がたびたび指摘されますが、チャットボットの運用でも間違ったことを話さないように生成AIを調整して、最適化しなければなりません。
そこで必要となるのが、AIチャットボットの会話を評価するための指標です。ハルシネーションをスコア化するなど、お客さま対応の品質を客観的に評価できる指標をつくることが私たちのミッションでした。
ハルシネーションだけでなく、会話のスムーズさや問題解決能力など、AIチャットボットの評価はさまざまな面で重要性が増しています。しかし、現状では評価指標の定まったノウハウは存在しません。最先端の研究成果を参考にしながら、新しい技術を私たちが目指す指標へどのように組み込めるかを日々検証しています。
AIを駆使して新たな技術の社会実装にコミット

AIなどの技術と同様に、外部環境、社会そのものもめまぐるしく変化しています。最先端の技術を研究し、その成果を事業という形で社会に実装していく私の仕事の軸足は、ARISE analyticsに入社してから一貫して変わることはありません。その中では論文を書いたり、特許を出願したりと研究開発の業務も行いますし、クライアントに戦略を提案したり、サービスを形にすることもあります。
研究開発とビジネスは本来異なる領域ですから、2つをつなぐことは難しい面が多いですが、新しい技術を正しく理解し、いち早く市場に出して価値を問うことで実装が進んでいきます。これまでの経験上、研究開発とビジネス、その両方の視点を持つことが、物事を動かすうえでは大切です。私自身、日々学びながらその両立を目指しています。
一方、仕事のやり方は生成AIの普及によって大きく変わりました。例えば、最新の技術研究では、以前は論文サイトをチェックし、さまざまな情報を検索する必要がありました。しかし、現在はAIに調査を指示するだけで大量の情報を検索し、整理してくれます。私たちはその情報を手がかりに、必要に応じてさらに論文を調査するなどして、知識を深められるようになりました。
生成AIが意思決定で使えるレベルになるのには、もう少し時間が必要ですが、知識を取得してアイデアのきっかけをつかむのには十分有効です。情報を探し整理してもらうことで、仕事がスピードアップし、アウトプットの量は大きく増えています。
私が担当している生成AIを評価する指標づくりにおいても、自ら論文をチェックしていたのでは、求められるスピードに追いつけません。現在は複数のAIを駆使して大量の情報を集め、解析し、スピーディにアイディアのたたき台を作成できます。自分の手を動かす部分をAIに任せて高速でサイクルを回し、より直接的に技術の社会実装にコミットできるようになりました。
「視野を広げる」―。多くのメンバーが直面する壁

私は現在、チームリード(課長職相当)としての職責を担っています。ARISE analyticsではチーム単位でプロジェクトを担当することが多いのですが、チームのメンバーが最大限に力を発揮するためのサポートを行い、最終的な成果物に対しても責任を持つことが私の仕事です。
チームリードを含むミドルマネジメントの役割は非常に広範です。プロジェクトの進行管理や部下の育成だけでなく、組織、事業の方針決定や社内のさまざまな課題解決にも携わります。人材採用のような「会社基盤活動」と呼ばれる業務も担いますので、組織横断で仕事をすることも少なくありません。
サブチームリード、チームリードとキャリアがステップアップするにつれて、上司からは「視野を広げる」ことが求められます。例えば、従業員と経営者ではそもそもの立場が異なるわけですが、両方の立場で物事を考え、判断しなければなりません。戦略の立案や提案といった業務でも、視野が狭いままではチームや会社全体にとって価値のあるアウトプットを生み出せません。以前の私はそうでしたし、これは多くの若手メンバーが直面する壁だと思います。
視野を広げるために私が意識していることの1つが、上司と直接会話する機会を増やすことです。自分は何か考え違いをしていないか、そうであるならばどこが違うのか、ARISE analyticsのマネジメント層はこうした部下の質問に丁寧に答えてくれます。
また私個人の取り組みとしては、本をたくさん読みました。戦略立案の土台となる理論など、自分にはない知識の多くを本から体系的に学びました。今でも何かに迷ったときは、関連する本を読み漁っています。
自ら思考することで生まれるAI時代の人材の価値
ARISE analyticsという会社のポジションは、業界の中でも独特です。KDDIやKDDIグループ内のあらゆる事業、部門と関わりながら、トップ層と会話ができる機会も少なくありません。こうした環境で働くことで得られる経験は、私たちにとって貴重なものです。私自身、画像解析のプロジェクトからスタートし、現在はAIエージェントのシミュレーションやAIセキュリティなど、まったく違う領域で経験を積ませてもらっています。これほど短い期間でベンチャー企業を何度も転職するような経験を積める環境は他にはないのではないでしょうか。
一方、ARISE analyticsの事業は私が入社した際から大きく変化したとも感じています。私が入社した当初は単純なデータ分析のレポートが中心でしたが、現在はデータとAIを組み合わせた業務改善や事業機会の創出までが求められます。そのため、データサイエンスに強みを持つ会社として、社内に新しいアセットを構築したり、独自のソリューションを開発したりするなど、多様な可能性を模索しています。
私は元々データサイエンティストですので、データで価値を生み出す取り組みには積極的に関わっていきたいと考えていますが、正解がある世界ではないので、自ら試行錯誤していくしかありません。私個人のキャリアとしては、自分の専門になりつつあるAIエージェントやAIセキュリティの領域を深く掘り下げていきたいと思っています。これまでは主に国内の学会に論文を出してきましたが、最近は国際学会にもチャレンジしています。
これからARISE analyticsで一緒に働く皆さんにお伝えしたいのは、AI時代だからこそ「思考を止めない」ことの大切さです。AIによって世の中がますます便利になる中で、仕事でもAIの回答を無条件に受け入れてしまいがちです。ただ、それでは仕事がAI任せになるだけで、本当の自分の価値を発揮することはできません。
今後、仕事とAIが切り離せなくなることは間違いありません。それだけに、どこをAIに任せるか、どこで自分の価値を発揮するかをコントロールしていく思考が重要になります。自分の価値の高め方唯一の正解はありません。どのような仕事、組織においても、自ら思考し、AIでは代替できない自分の価値を模索し続ける人が必要とされる時代が到来しています。こうした考え方を共有できる皆さんと、ARISE analyticsで新たな価値創造に取り組んでいきたいです。